水平構面の剛性について

施行令第3章3節の木造仕様規定では、筋かい等の耐力壁についてそれなりに明記されていますが、水平耐力に関しては「隅角には火打材を使用」としか記載されていません。一般的にも木造2階住宅程度のいわゆる4号建物では、水平耐力についてあまり重要視されていないようです。
しかし、やはり水平耐力は軸組の耐力壁と同じくらい重要です。壁がいくら強くても、水平剛性が脆弱だと地震力や風圧力等の横からの強い力に耐えることが出来ず、最悪の場合、建物のねじれによる崩壊をまねいてしまうからです。
イメージしやすいのは、蓋の無い箱に両側から力を加えると簡単に変形してしまいますが、蓋をかぶせた状態で力を加えると、なかなか変形しない(変形しにくい)という感じです。建物にすると、小屋梁の水平方向に合板を直張りする状態が蓋になります。
したがって、笑い話的になりますが「小屋裏に物置スペースをつくっても、そこには物を置かない」という矛盾した用途こそが、耐震には非常に有効であるといえます。


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