直下率について

壁・柱直下率というのがあります。直下率というのは、2階建ての柱を例にとると、2階柱の総数に対する、直下に1階の柱がある2階柱の本数の割合です。指標のひとつとして、構造上無理のない設計をしているか否かの目安になります。それは、人の体でいえば、姿勢の良し悪しとよく似ていると思います。姿勢が悪いと肩こりや腰痛などの症状が現れてしまうように、直下に支えるものがなければ、常に梁などの横架材にも負荷が掛っている状態になり、建物の歪みや傾きなどの因子のひとつになりますし、抵抗するために横架材のボリュームを増やせば、その分コストも上がってしまいます。
また、梁上耐力壁となる場合は、地震などの水平力が加われば、耐力壁は回転しようとし、支えている梁は曲げ変形を起こしてしまいます。
以上のことからも、自由度を求めつつも直下率を意識したプランニングは、健全な建物を作る入口として主眼的なファクターだと考えています。