木造筋かい検討の際の注意点(2)

2、3階部分の筋かいなどの耐力壁端部の左右いずれか、または両方に下階の柱や壁がないものを梁上耐力壁といいます。梁上耐力壁になると、梁がたわむ影響から耐力の剛性が低下するので、耐力壁の耐力を低減して計算する必要があります。条件によっては耐力が半分以下になるので、小梁などのいわゆる2次梁以降の横架材に載る耐力壁を多く配置する建物で、施行令の仕様規定のみで検討される場合は、特に注意が必要です。


木造筋かい検討の際の注意点(1)

例えば、施工令の仕様規定による45×90の片筋かいの壁倍率は、圧縮側、引張側関係なく2.0ですが、許容応力度計算により耐力を算定する場合での等価壁倍率の数値は、引張り1.5、圧縮2.5と異なっています。数値からも分かるように、圧縮方向に作用する耐力の方が強いことから、建物の同一軸方向に対して、筋かいの留め付け向きは左右バランスよく配置することが大切です。