床下から進行する基礎コンクリートの劣化とその対策

以前、耐震診断による床下調査を行った住宅では、コンクリートが地面に近いほど基礎表面に剥離が見られ、防湿シートとして敷かれていたポリスチレンフィルムも全体に劣化・腐食していました。これは、土壌中に含まれる化学物質を含んだ水分が毛細管現象により上昇し、コンクリートの表層を徐々に侵食していったものと推察されます。
費用が別途かかるため土壌自体の成分までは検査しませんでしたが、今後の劣化進行を抑えるためには、防湿コンクリートの施工や、基礎表面へのコーティング材の塗布などが有効な対策になると思われます。

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竪樋支持金物の勾配と雨水侵入リスク

竪樋を支持する金物が外壁方向に向かって下がっている場合、雨水の排水機能自体には大きな支障はありません。しかし、樋の雨だれが支持金物を伝って、外壁との取合い部から内部に浸入するおそれがあり、防水性能の低下が懸念されます。必要に応じて、支持金物の再取付や角度の調整などの是正措置を講じることを推奨します。

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既存建築物の法適合調査ガイド

『既存建築物の法適合調査ガイド』(一般財団法人日本建築センター)

本書は、既存建築物に関する法令や建築基準法の変遷、調査手法、さらに増築・用途変更時の改修計画の立て方まで、体系的に解説されています。法適合性の確認、既存不適格の整理、そして適法化に向けた改修計画の立案など、実務に直結する情報がまとめられています。
改修や修繕を行う際には、確認申請の要否にかかわらず、その計画が法的に適合しているかを検証することが必要です。また、既存建築物が現行法に適合していない場合でも、それが「既存不適格」なのか「違反建築物」なのかによって、求められる対応が大きく異なります。
こうした背景から、既存建物の改修には多くの法的判断が伴い、ややハードルの高い分野だと思っています(;^ω^)

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全国住宅リフォーム取扱主任者認定講座、修了しました

全国住宅リフォーム取扱主任者認定講座を受講し、修了認定試験に合格しました。
講座では主に、トイレ・キッチン・洗面化粧台・浴室・給湯器といった水まわり5項目について、基礎知識からリフォーム実務まで幅広く学びました。
今後の業務にも活かしていきたいと思います。

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床下詳細調査で発見されたアンカーボルトの不具合事例

中古住宅のインスペクションにおいて、オプションの床下詳細調査を実施したところ、アンカーボルトが土台からずれているのを確認しました。おそらく、基礎と木造部分(上部構造)の寸法が整合していないまま、是正することなく完成させてしまったものと考えられます。
アンカーボルトは、地震や強風などの外力に対して、土台が基礎からずれたり浮き上がったりするのを防ぐ、構造上重要な緊結金物です。
この状態を放置すると、地震時に構造体が基礎から大きくずれる危険性があり、早急な是正が必要です。

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通し柱がなくなっていた!?小屋裏調査で見えた構造リスク

耐震診断を行った際に小屋裏を確認したところ、本来1階から通しであるはずの2階出隅の柱が天井裏で撤去されており、上階の柱と床梁との接合部が「柱勝ち」の状態になっていました。過去のリフォームの過程で、いつの間にか撤去されてしまったものと思われます。
このままでは、2階の当該出隅部分の床や壁のたわみや沈下などの不具合が将来的に生じるおそれがあります。できるだけ早く1階部分に柱を継ぎ足すなどの補強を行うことをおすすめいたしました。

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新築ホームインスペクションにおける法令不適合の取り扱いと参考報告の事例

新築ホームインスペクションでは、構造耐力上主要な部分の劣化・損傷や、雨水の侵入が懸念される部位の劣化・損傷の有無が、主な調査対象となります。
一方で、建築基準法等の法令への適合性の確認は、原則としてインスペクションの対象外です。
ただし、調査中に明らかに法令に適合していないと判断できる箇所があった場合には、あくまで参考情報として、その旨をご報告させていただくことがあります。
実際の例として、延焼のおそれのある部分(いわゆる延焼ライン内)に面した外壁の屋内側において、仕上げ材によっては小屋裏や天井裏に防火被覆(石膏ボード等)の施工が必要な場合があります。
しかし、過去のインスペクションでは、この防火被覆が施されておらず、明確に規定に適合していない建物が確認されたことがありました。
このように、法令不適合が明白である場合には、インスペクションの範囲外であっても、必要に応じてご説明いたします。

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新築インスペクションでの床下浸水事例

新築引き渡し前の住宅診断(インスペクション)の事例です。この時は床下部分の給水管の接続部の不具合による漏水が原因でした。新築住宅のインスペクション(住宅診断)において、「床下浸水」が見つかるケースはまれではありますが、発生すると建物の耐久性・衛生環境に大きな影響を与えるため、非常に重要な指摘事項となります。
外部からも基礎立上りとベースとの打継や水抜き孔かと思われる部分からも水シミが確認できました。

 

 

 

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床下が汚れている新築住宅、意外と多いんです

新築ホームインスペクションの床下調査での事例です。
床下断熱の住宅でも、本来は清掃してから引き渡してほしいところですが…。基礎断熱+床下空調や24時間換気の住宅では、床下=室内空間として扱われるにもかかわらず、工事中に出た木くずや木片、ゴミがそのまま放置されていたケースがありました。
見えない場所ですが、空気の流れや室内環境に関わる大切な部分。床下も“居住空間”と考えて、最後まで丁寧な仕上げが求められます。

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