以前、耐震診断による床下調査を行った住宅では、コンクリートが地面に近いほど基礎表面に剥離が見られ、防湿シートとして敷かれていたポリスチレンフィルムも全体に劣化・腐食していました。これは、土壌中に含まれる化学物質を含んだ水分が毛細管現象により上昇し、コンクリートの表層を徐々に侵食していったものと推察されます。
費用が別途かかるため土壌自体の成分までは検査しませんでしたが、今後の劣化進行を抑えるためには、防湿コンクリートの施工や、基礎表面へのコーティング材の塗布などが有効な対策になると思われます。
床下調査 基礎コンクリート劣化 毛細管現象 防湿対策 耐震補強 リフォーム工事 建築設計 島根県 松江市 耐震診断

竪樋を支持する金物が外壁方向に向かって下がっている場合、雨水の排水機能自体には大きな支障はありません。しかし、樋の雨だれが支持金物を伝って、外壁との取合い部から内部に浸入するおそれがあり、防水性能の低下が懸念されます。必要に応じて、支持金物の再取付や角度の調整などの是正措置を講じることを推奨します。
2025年4月施行の構造基準の改正に対応した『建築物の構造関係技術基準解説書(2025年版)』が届きました。
耐震改修の一環として「屋根の軽量化」は非常に効果的な対策です。特に古い木造住宅では、瓦の下に土を載せた「土葺き瓦屋根」が多く、屋根全体が非常に重くなっています。建物の上部が重いと、地震時に揺れが大きくなり、建物全体の倒壊リスクが高まります。
木造建物において、下階の同一通りに耐力壁が存在しない場合、上階の水平力は剛床構造によって下階の耐力壁へと伝達されます。許容応力度計算ではこの剛床部分の剛性や応力伝達について検討されますが、壁量計算では剛床の仕様や性能についての検討は行われません。そのため、剛床の構造仕様によっては、水平力の伝達が不十分となり、力の流れが分断されるおそれがあります。