床下から進行する基礎コンクリートの劣化とその対策

以前、耐震診断による床下調査を行った住宅では、コンクリートが地面に近いほど基礎表面に剥離が見られ、防湿シートとして敷かれていたポリスチレンフィルムも全体に劣化・腐食していました。これは、土壌中に含まれる化学物質を含んだ水分が毛細管現象により上昇し、コンクリートの表層を徐々に侵食していったものと推察されます。
費用が別途かかるため土壌自体の成分までは検査しませんでしたが、今後の劣化進行を抑えるためには、防湿コンクリートの施工や、基礎表面へのコーティング材の塗布などが有効な対策になると思われます。

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竪樋支持金物の勾配と雨水侵入リスク

竪樋を支持する金物が外壁方向に向かって下がっている場合、雨水の排水機能自体には大きな支障はありません。しかし、樋の雨だれが支持金物を伝って、外壁との取合い部から内部に浸入するおそれがあり、防水性能の低下が懸念されます。必要に応じて、支持金物の再取付や角度の調整などの是正措置を講じることを推奨します。

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耐震性向上の第一歩:屋根の軽量化と落下リスクの対策

耐震改修の一環として「屋根の軽量化」は非常に効果的な対策です。特に古い木造住宅では、瓦の下に土を載せた「土葺き瓦屋根」が多く、屋根全体が非常に重くなっています。建物の上部が重いと、地震時に揺れが大きくなり、建物全体の倒壊リスクが高まります。
また、大きな地震では屋根瓦が脱落・落下するおそれがあり、住む人や近隣への二次的な被害を引き起こす可能性もあります。これも屋根を軽量な金属屋根や軽量瓦に葺き替えることで大幅にリスクを軽減できます。
ただし、屋根の葺き替えを含む大規模の修繕、大規模の模様替えは、改修工事の内容によっては、建築基準法に基づく「確認申請」が必要になることがあります。特に構造に影響を与える改修や、増築・用途変更を伴う場合は、事前に専門家に相談して、必要な手続きを確認しておくことが大切です。

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基礎コンクリートのひび割れにエポキシ樹脂注入で対応した事例

基礎コンクリートのひび割れ補修の事例です。写真は、基礎のひび割れ部分にエポキシ樹脂を注入して補修している様子です。このような補修方法は、ひび割れ幅に応じて適切に選定されます。
ひび割れの許容幅には基準があり、たとえば日本建築学会では以下のように定められています:
屋外側:0.3mmまで許容
屋内側:0.5mmまで許容

また、「住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)」の基準では、
0.3mm以上0.5mm未満:瑕疵が一定程度存在する可能性がある
0.5mm以上:瑕疵が存在する可能性が高い

さらに、土木学会の書籍などでは、飛来塩分の影響や海岸からの距離など、環境要因による補正も考慮されています。
ひび割れは放置すると鉄筋腐食や劣化の進行につながる可能性もあるため、早めの補修対応が重要です。

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全国住宅リフォーム取扱主任者認定講座、修了しました

全国住宅リフォーム取扱主任者認定講座を受講し、修了認定試験に合格しました。
講座では主に、トイレ・キッチン・洗面化粧台・浴室・給湯器といった水まわり5項目について、基礎知識からリフォーム実務まで幅広く学びました。
今後の業務にも活かしていきたいと思います。

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和室の壁を耐震補強する・コストを抑えた施工例

和室の壁を面材耐力壁で補強した事例です。
床梁と耐力壁との取り合いは、畳の下地を剥がして施工するため、完了後は畳に隠れて見えなくなります。
一方、小屋梁との取り合いでは天井を剥がす必要がありますが、天井材を全面的に張り替えると費用がかさむため、今回は必要な部分のみを部分的に張り替えました。

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床下詳細調査で発見されたアンカーボルトの不具合事例

中古住宅のインスペクションにおいて、オプションの床下詳細調査を実施したところ、アンカーボルトが土台からずれているのを確認しました。おそらく、基礎と木造部分(上部構造)の寸法が整合していないまま、是正することなく完成させてしまったものと考えられます。
アンカーボルトは、地震や強風などの外力に対して、土台が基礎からずれたり浮き上がったりするのを防ぐ、構造上重要な緊結金物です。
この状態を放置すると、地震時に構造体が基礎から大きくずれる危険性があり、早急な是正が必要です。

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通し柱がなくなっていた!?小屋裏調査で見えた構造リスク

耐震診断を行った際に小屋裏を確認したところ、本来1階から通しであるはずの2階出隅の柱が天井裏で撤去されており、上階の柱と床梁との接合部が「柱勝ち」の状態になっていました。過去のリフォームの過程で、いつの間にか撤去されてしまったものと思われます。
このままでは、2階の当該出隅部分の床や壁のたわみや沈下などの不具合が将来的に生じるおそれがあります。できるだけ早く1階部分に柱を継ぎ足すなどの補強を行うことをおすすめいたしました。

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2階増築の耐震補強例

住宅の耐震診断を行うと、もともと平屋だった建物に、後から2階を増築しているケースが少なくありません。多くの場合、平屋時の小屋梁の上に束を立て、その上に2階の床梁を架ける構造が見られます。
このような建物を耐震改修する際には、小屋梁と2階の床梁を構造用合板で挟み込むことで一体化し、ボックスビームとします。これにより構造的な安定性を高めるとともに、通常の2階建て住宅としての耐震計算条件を満たすことが可能になります。
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木造住宅の耐震診断

木造住宅の耐震診断のご依頼をいただき調査に伺いました。
基礎の形状や劣化の有無、位置関係を確認するため、床下にも潜って調査します。
床下の情報は、耐震補強計画にも重要になってくるため、可能な限り確認しています。

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